花束の色の選び方と組み合わせ方(色が与えるイメージ)
「友人のイメージに合った色合いで結婚祝いの花を贈りたい」「贈る相手のイメージに合った花や色を使って印象に残る花を贈りたい」と思ったことはないでしょうか。また、フラワーショップで友人のイメージをどのように伝えたらいいのかわからないと思う方もいるでしょう。
今回は、贈る相手の「イメージに合った色」でお花を贈りたい方のために、色彩をテーマに解説します。
色そのものが持っているイメージや色が人に与えるイメージと効果をはじめ、花束を作るための色選びと色の組み合わせ方など、花の組み合わせを考えるときのコツについて解説します。
「イメージに合った色」についての知識を得られます。素敵な花をプレゼントするために、ぜひ参考にしてください。
花束を作るための色選びの方法
花束を作るための色選びの方法は、「何のためにどんな場面で誰に」といったように、用途や場面、贈る相手によって変わります。また本来、色そのものに意味を持っているので、用途や場面、また贈る相手に合った色を意味から選んでいきます。
では色には、どのような意味があり、また色から人に与えるイメージや効果があるのでしょうか。
ここでは、色のイメージと色が与えるイメージ、また効果、さらには色彩や配色についてをお花を例にして簡単にまとめましたので参考にしてください。
①色が与えるイメージ・効果
色は、色そのものにイメージを持っています。また色から与えるイメージにより、人に対して様々な効果をもたらしてくれます。色のイメージと色が与えるイメージ、また効果について、以下のとおりにまとめました。
持つイメージ |
与えるイメージ |
|
赤色 |
興奮 強さ 情熱 エネルギッシュ |
元気や情熱 活力のイメージ テンションや気分 気持ちを高める |
ピンク色 |
柔らかい 幸福 可愛い 甘い |
甘く、柔らかいイメージ 恋愛や幸福感を与える |
黄色 |
元気 明るさ 楽しさ 希望 |
明るく楽しい気持ちになる 注意(危険)を促す |
オレンジ色 |
暖かい 向上心 陽気 積極的 |
暖かさや温もりのイメージ 活動的な印象を与える |
緑色 |
フレッシュ 癒し やすらぎ 生命力 |
安心や平和のイメージ リラックスや癒し効果の印象を与える |
水色 |
爽やかさ 開放感 冷静 清潔 |
爽やかな爽快感のイメージ 自由や自然体の印象を与える |
青色 |
誠実 知的 落ち着き 自立 |
涼しい冷たいイメージ 気持ちが落ち着き集中力を高める効果 |
紫色 |
神秘的 上品 高貴 個性的 |
高貴で上品なイメージ 一風変わった芸術的な印象を与える |
色の持つイメージや人に与えるイメージは、色によって違い、また人に対して様々な作用や効果があることがわかります。
②色の組み合わせ方
花束を作るための色のイメージと色が与えるイメージ、また効果について理解をしたうえで色を組み合わせていきます。
色相環
この環状になっているものを色相環といいます。色相環とは、スペクトルが持つ色の波長をもとに赤から紫までを順に並べつなぎ、環状に配列構成したものです。色相環を理解したうえで、花の組み合わせをします。
トーン
色彩のトーンとは、色味の色相を明暗の明度や濃淡の彩度によって決めた色のグループのことです。花を組み合わせるときや仕上がりをイメージするときに大切になります。
類似色
類似色は、色相環上で主となる色の隣り合わせの色を指します。統一感を出した花の組み合わせのときに使う色の使い方です。
反対色(補色)
反対色(補色)は、色相環上で向かい合う色のことを指します。反対色(補色)を用いた花の組み合わせは、メリハリやインパクト、変化を生みます。
対照色
反対色(補色)となる色と隣り合わせになる色を指します。対照色を使うことは、反対色(補色)を組み合わせに選んでいても、上手く馴染みませることができます。
色の組み合わせ方は、ここで解説した色のイメージや色彩、配色をもとに選び決められます。
人気の色!ピンクの花に合う色は?
花の中でピンク色は、とても人気のある色です。人気色のピンクの花には、何色を合わせればいいのでしょうか。どのような色が合うのかを見ていきましょう。
・ピンク色+赤色
ピンク色に赤色が入ることによって、赤色が与える気分の高揚が幸福感をアップさせます。
・ピンク色+黄色
ピンク色に黄色の明るさがプラスされて、楽しく可愛らしいイメージになります。
・ピンク色+オレンジ色
ピンク色の柔らかさにオレンジの暖かさの相乗効果で、温もりのある仕上がりになります。
・ピンク色+水色(青色)
ピンク色に水色(青色)を合わせると、全体が水色の持つ「爽やかさ」なイメージに変わります。
・ピンク色+紫色
ピンク色に紫色を入れることによって、可愛らしさに神秘的で可憐な要素がプラスされます。
・ピンク色+ピンク色
ピンクの濃淡でまとめると、より一層ピンクの持つイメージ(柔らかい、幸福、可愛い、甘い)に仕上がります。
ピンクに合う色を見てきました。合わせる色によってどれも趣があり、いろんな姿を見せてくれます。また、ピンク色といっても一色ではなく多種多様で、色のトーンによっても雰囲気やイメージは変わります。
③メインとなる色別!花の組み合わせイメージ
ピンク色以外の色も花の組み合わせによって変わります。色別に色の組み合わせを例にまとめました。また組み合わせにより持つイメージもあげましたので見ていきましょう。
メイン色 |
色2 |
色3 |
イメージ |
❀赤色 |
❀ピンク色 |
❀白色 |
可愛い、幸福感 |
❀赤色 |
❀紫色 |
❀オレンジ色 |
大人、個性的 |
❀オレンジ色 |
❀黄色 |
❀ピンク色 |
女性的、可愛い |
❀オレンジ色 |
❀青色 |
❀白色 |
知的、向上心 |
❀黄色 |
❀ピンク色 |
❀赤色 |
幼い、可愛い |
❀黄色 |
❀緑色 |
❀白色 |
癒し、自然的 |
❀紫色 |
❀ピンク |
❀赤色 |
神秘的、大人 |
❀紫色 |
❀黄色 |
❀水色 |
男性的、シック |
❀青色 |
❀水色 |
❀紫色 |
落ち着き、誠実 |
❀水色 |
❀黄色 |
❀白色 |
爽やかさ、清楚 |
メインとなる色と合わせる色でまったく違う印象を与えることがわかります。
差し色の花は、全体に対してアクセントや引き締めの効果の役割をしてくれるので、花をコーディネートするときに選びます。また、差し色によって、全体に動きを作りだすこともできます。差し色の使い方と効果を解説します。
<差し色の使い方>
・全体が同系色にまとめられている場合に、濃い色の花を差し色で使うことで全体を引き締めてくれます。
・全体が同色でまとめられている場合は、濃い色の花が差し色になり動きを作ります。
・まとまった色合いの中に、反対色(補色)の色の花を差し色で使った場合、全体のアクセントとなり目を引きます。
上記のように、上手に差し色の花を使うとワンランク上の花の組み合わせができます。
花の組み合わせを考えるときのコツ
花の組み合わせは、用途や場面、デザイン、花材、花の色をもとに考えます。もう少し深堀りしますと、①花の大きさ②花の質感③花の色 これらを重さに置き換えて考えます、そのときにバランスが取れているようなデザインをしています。
あと、どのような人に贈るのかによっても変わるので、花の組み合わせを考えるときのコツといえるでしょう。たとえば、贈る相手が友人の場合はカジュアル、取引先や目上の方に贈る花は上品にといったように、贈る相手によって花の組み合わせを考えるわけです。また、それらに伴いラッピングの色選びや仕方も変えていきます。
花束のラッピング!色使いでイメージは変わる
ラッピングペーパーを巻き、リボンをかけて花束は完成します。 ここまで花の色を主体で考え素敵に仕上げた花束を、ラッピング用紙やリボンの色使いでさらに素敵に仕上げることができます。
<ラッピングの色使いの仕方>
・同系色でまとめる:統一感が出るので失敗がありません。
・花束の中にある一色を使う: 花束の中にある一色を使うことでバランスの取れた仕上がりになります。
・反対色(補色)を使う:インパクトがある仕上がりになります。
・自然界の色の茶色や緑を使う:淡い色ならナチュラルな仕上がりに、濃い色なら存在感のある仕上がりになります。
・無機質な黒や白、グレーを使う:スタイリッシュなイメージになる。
色だけでも多種多様の仕上がりになりますが、ラッピング用紙には模様や質感が違うものもあり、使い方で仕上がりの印象が変化します。
まとめ
贈る相手の「イメージに合った色」でお花を贈りたい方のために、色彩をテーマに解説しました。
色そのものが持っているイメージと色が人に与えるイメージや効果、花束を作るための色選びの方法、色の組み合わせ方、差し色について、組み合わせる花の色によるイメージの変化、花の組み合わせを考えるときのコツを紹介しました。またラッピングの色使いも紹介しましたので、花束だけではなく、アレンジメントなども同様にこれらを参考にしてください。
「イメージに合った色」について知識を得て素敵な花をプレゼントしてください。